「ゲンのテーマは、寒い冬に芽を出して、踏まれても踏まれてもまっすぐ伸びる“麦”なんです。」
はだしのゲンの作者、中沢啓治さんが広島で語るヒロシマ。
ゲンに託した思い、次世代へ残したいメッセージを込めた自叙伝ドキュメンタリー。
第17回 平和・協同ジャーナリスト基金 審査員特別賞受賞
『はだしのゲンが見たヒロシマ』一般用
漫画家・中沢啓治さんが自信の生い立ち、広島での被爆体験から『はだしのゲン』を描くまでの半生を語る。
中沢さんが広島市内の思い出の土地を辿りながら、証言、貴重な原画とともに決して忘れてはならない戦争と原爆の姿を見つめる。
- 価格:一般用 ¥3,800-(税別)
- 特典:リーフレット/中沢啓治作品・原画スライド収録/聴覚障がい者対応日本語字幕
- 出演:中沢啓治(『はだしのゲン』作者) 聞き手:渡部朋子
- 企画:渡部朋子/製作:山上徹二郎・渡部久仁子
- 監督:石田優子/撮影:大津幸四郎
- 仕様:本編77分/片面・一層/COLOR/ステレオ/16:9 LB ビスタサイズ
- 発行元:シグロ・トモコーポレーション 販売元:紀伊国屋書店
作品についてもっと詳しく
【作品概要】 1945年8月6日、中沢啓治さんは広島市内の神崎国民学校(現在の神崎小学校)で被爆する。国民学校の1年生、6歳だった。
中沢さんは奇跡的に助かったが、父・姉・弟を亡くした。被爆直後に生まれた妹も4ヶ月で亡くなる。
中沢さんは、自身が目撃した広島原爆の惨状を、まるでカメラで撮影するかのように、つぶさに脳裏に焼きつけている。
『はだしのゲン』に表現されている広島の光景は、中沢少年が自ら体験したことを、ゲンに託して描いたものだ。
漫画家として東京での活動が軌道に乗ってきた22歳のとき、広島の原爆病院に7年間入院していた母が亡くなった。
火葬して骨を拾おうとした時、母の骨は粉々に砕け、ほとんど残っていなかった。
「原爆は母の骨までも奪うのか」、怒りがこみ上げた。それまでは“原爆”という文字を見るのも避け、自分が被爆者であることも、一切語っていなかった。 被爆者に対する差別があったからだ。
「自分にできることは何なのか」必死に考え続けた結果、 原爆をテーマにした漫画の第1作目となる『黒い雨にうたれて』を1週間で描き上げた。
その後、戦争と原爆を題材とした作品を数多く描いてきた。
『はだしのゲン』は、少年ジャンプの編集長との出会いから1973年から連載が始まり、 途中3度の中断と複数の出版社での連載を経て、1982年に全10巻で完結する。
中沢さんは、『はだしのゲン』のテーマは麦なのだと語る。
「麦は寒い冬に芽を出し、霜柱をおしのけてまっすぐ伸びる。
麦踏みで何度も踏まれながらも大地にしっかりと根をはって、やがて豊かな穂を実らせる。 人間、そういうふうになれよということで、元気のゲン、元素のゲン、人間の元素になれという意味で、 『はだしのゲン』という名前をつけたんです」。
現在中沢さんの作品の原画は、広島平和記念資料館に収蔵されている。
『はだしのゲン』の巻頭カラーページや単行本の表紙など、色鮮やかな原画の数々。 単色の墨で描かれた『はだしのゲン』の原画には、描いた当時の細かな筆跡やタッチが残っている。
中沢さんの願いは、戦争や核兵器のない未来であり、子供たち自らが平和を追求し続けてほしいということだ。 「それには、漫画がひとつの役割を果たしていると思う。文章だと読みづらい子にも、漫画なら素直に入っていく。 子供達に、素直に戦争反対の気持ちが根付いていったら作者冥利につきる。」
中沢さんが、今回のドキュメンタリー映画に託したメッセージである。
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